Windows10の罠

 期限も近づき、メインのマシンもWindows10にアップグレードした。
 これまでサブマシン二台をアップグレードし、特にこれと言って不具合もなく、まあただ、前の記事でも書いたが、「フォルダの足跡」というアプリが使えなくなったのだけが唯一の心残りみたいな、言ってれば、上げてもデメリットはないかな、といことで、今回の無償アップグレードにたどり着いた。

 結論から言えば、上げてよかったということになる。これは勝手に邪推しているのだが、マイクロソフトはアップグレードさせたいためにWindows7の起動から、アプリの動作に至るまで、目に見えて遅くし、「早く10にしろよ」と、見えない圧力をかけ続けてきた。
 おかげで10に上げたときは、このいらいらが基本的に解消され、気分はよくなった。しかも危惧していたフォルダの足跡は、なぜかこのマシンでは動く。7の頃と極端に何かが変わったという印象もない。
 
 だが数日使ううちに、なぜかいくつかのアプリで設定が元に戻っていたり、スタートアップに登録していたアプリが起動しなかったり、少しずつ「あれ?」と思う事が出てきた。許容範囲ではあるが。

 さて、Windows10はスマホやタブレットで使う事が前提となっているような機能、言ってみればデスクトップパソコンではどんな利点があるか解らない機能がいくつかあるが、その中の一つにCORTANAという「Hey Siri」や「OK Google」みたいなものが付いている。音声でサポートしてくれる機能だと思うが、それを起動させるためには、GPSをオンにするのと、Microsoftアカウントでサイン・インする必要がある。そもそも、デスクトップでGPSの意味があるのかどうかは別にして(つまりGPSなんて使える何かがパソコンにそもそも入ってないだろうと言う事)、このMicrosoftアカウントでログインしないとストアなどの機能も使えない。なので、既存の個人のアカウントでログインした(ログインとかサインインとか、アプリとかソフトとか、色々呼び名があって面倒だ)。そして電源を切って翌日。

 なぜかいつもは普通に始まるWIndowsにログイン画面が。更新があったときなどまれにあるので、気にせずログインボタンを押して、ソファに座ってしばらくスマホを見ながら待つ。さて、なぜか壁紙とかがいつも見慣れたものとは違う。デフォルトで開始されるWinampやFirefoxも起動していない。デスクトップスパイスというランチャーも始まっていない。何かヤバいぞと思わせる。
 何かがおかしい。これまで使っていて7から継承したものが一切見えない。エクスプローラーを開いてユーザーフォルダを見るとそもそもそこにアクセスできない。一瞬パニック。

 昨日まで行っていた仕事のファイルとかどーなるの!「勘弁してくれよ」思わず独り言が漏れる。
 再起動。
 パスワードが違うと拒否される。
 しかし冷静になって見ていると、別のアカウントで勝手にログインする。
 確かに以前、必要に迫られて別アカウントを一つ作ったのだが、放っておくとどうやらそのアカウントでログインしてしまうようだ。とはいえそのアカウントは管理者権限がないので、そのあとのアカウント操作ができない。
 再び再起動。
 そして気づく。
 何だよ!ここもMicrosoftアカウントかよ!!!!
 これが最大の罠だ。解りにくい!
 この変化に気づくまでに少し時間がかかった。これまでのローカルアカウントではログインできないのだ。
 しかし、ネットに繋がってる事が前提で、ネット環境がなければ、パソコンにアクセスできないという事か?いやいや、さすがにそれは無さそうだ。
 と、ここでExcelを開くと、Excelのファイルの履歴がおかしい。
 そう、Microsoftアカウントを個人のものでサイン・インしたため、会社のアカウントで利用しているOffice365ではなく、個人の履歴が出てきたのだ。Officeのバージョンに問題がないのかよく解らないが、改めて会社のアカウントでサイン・インし直す。どうやらOneDriveの方は大丈夫な様子。ただこのOneDrive・・・別の機会に書こう。

 だがその後も、Adobe Illustratorなどのファイル履歴がちょこちょこおかしかったり、気になる事がないわけではない。
 この不安定さは、しばらくつきあっていかなくてはいけなさそうだ。シャットダウンの時の必ず出るエラー表示も解決していないし。
 とはいえ、7に戻るつもりはない。

 何でも新しければいいというわけではないと思うが、OSやアプリのバージョンなどは、どちらかといえば新しい方がいいというのが、基本的な僕のスタンスだ。7と8の時は、多少節を曲げたが、概ねその考え方は変わっていない。アプリを作っている会社に、徒に古いアプリのサポートを長くさせるよりは、同じお金を新しいバージョンにかけてもらった方が、ユーザーにとってもいい。今回のような無償アップグレードであれば、なおさらである。
 もちろん、自力で上げられない人や、様々な条件で上げたくない人もいると思うが、だからといって、ずっとそこをフォローし続ける事は、むしろ進歩にマイナスだと思う。もはや若くない自分たちにとって、様々な変革やテクノロジーの進歩は、やはり付いていく事が難しい側面もないわけではない。とはいえ、人類はそうやって生きてきた。
 全てを礼賛しているわけではないが、見返りながらも先に進むしか人類の未来はあり得ない。2歩下がるにしても3歩進んでいかねばならないのだ。
 新しいパソコンを買えばWindowsのバージョンは10だ。ならば10に上げるのはいい事だし、大変でも慣れていく方が、自分にとってもメリットなはずだ。

 確かに変化は使いにくさとも直結するが、今回の10へのアップグレードは7から8ほどの使いにくさはない。
 今のところ、なんだかんだといって、動かないアプリが一つもないというのはいい事だ。
 無償アップグレード終了まであと1週間。どうしようか悩んでいる方には、上げてもいいと思いますよ。と言って上げたい。あ、でも責任は取りません。そこはいつでも自己責任ですけどね。

 

2016年7月24日 2:04 PM  カテゴリー: Windows, ビジネス

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