ドメイン丸わかり

ドメインの.com・.jp・.net・.orgは何が違う?TLDの種類と仕組みを解説

「.com」や「.jp」は何なのでしょうか

前回は、ドメインを「インターネット上の住所」というより、長く使い続けることができる「名前」と考えた方が分かりやすい、という話をしました。では、その名前の最後についている「.com」や「.jp」は何なのでしょうか。

普段は「ドットコム」「ドットジェーピー」と一続きに読んでしまいますし、Webサイトを作るときにも「.comにしますか、.jpにしますか」という選択肢として出てきます。そのため、何となくドメインの種類を表す飾りのようにも見えます。しかし実際には、この最後の部分はドメイン名の構造そのものを理解するうえで非常に重要です。

「.com」「.jp」「.net」「.org」などは、TLD(Top-Level Domain)、日本語ではトップレベルドメインと呼ばれます。名前の通り、ドメイン名の階層の一番上にある部分です。

ドメイン名は右から見ると分かりやすい

ここで少し妙なのは、私たちは文字を左から読むのに、ドメイン名の構造は右から見た方が分かりやすいということです。

例えば、

www.example.com

という名前があったとします。

右端の「com」がトップレベルドメインです。その一つ左の「example」がセカンドレベルドメイン、さらに左の「www」は、その下に作られたサブドメインです。

つまり階層として見るなら、

  • .com
  • example.com
  • www.example.com

という順番で、右側から左側へ細かくなっていきます。

住所に例えるなら、日本、東京都、千代田区……と大きな範囲から小さな範囲へ絞っていくのに少し似ています。ただし、前回も触れたように、ドメインを現実の住所と完全に同じものとして考えると別のところで混乱します。ここでは単純に「階層構造になっている」という点だけを借りるのがよさそうです。

補足:セカンドレベルドメインとサブドメイン

ICANNの説明では、トップレベルドメインの直前にある部分がセカンドレベルドメインです。例えば「icann.org」なら「icann」がセカンドレベルにあたります。

さらに左側に「events.icann.org」のような名前を作ることができ、この「events」の部分は第三レベル、一般にはサブドメインとも呼ばれます。

TLDには大きくgTLDとccTLDがあります

TLDには様々な種類がありますが、最初に覚えておきたいのはgTLDとccTLDです。

gTLDはGeneric Top-Level Domainの略で、特定の国を表すものではないトップレベルドメインです。.com、.net、.orgなどが代表的です。

一方、ccTLDはcountry code Top-Level Domainの略で、国や地域に対応するトップレベルドメインです。.jpは日本、.frはフランス、.ukは英国といった具合です。

ここだけを見ると、「gTLDは世界共通、ccTLDは各国用」と理解すればよさそうです。大筋ではその理解で構いません。

ただし、この先シリーズを進めていくと、話はそれほど単純でもないことが分かってきます。国別ドメインなのに世界中で別の意味で使われているものもありますし、最近では「.shop」「.app」「.blog」のような新しいgTLDも大量に登場しています。

その話は後の回に譲ります。

.comは誰のものなのでしょうか

さて、ここで一つ疑問が出てきます。

.comという巨大な名前空間は、いったい誰が管理しているのでしょう。

誰のものでもないようにも見えますが、実際には管理主体があります。

IANAのRoot Zone Databaseでは、.comはgeneric top-level domainとして登録されており、現在の管理主体はVeriSign Global Registry Servicesです。.netも同じくVerisignが管理しています。

つまり「example.com」を私たちが登録するとき、exampleという名前だけを独立して作っているわけではありません。.comという巨大な名前空間の中に「example」という名前を登録していることになります。

この「TLD全体の登録情報を管理する組織」をレジストリと呼びます。

ただ、普通にドメインを取得するとき、Verisignへ直接申し込んだ記憶がある人はほとんどいないと思います。

なぜでしょうか。

ここにはレジストリ、レジストラ、リセラーという、もう一段別の仕組みが入っています。これは後の「ドメインはどこから買っているのか」という回で詳しく扱います。

.orgなら非営利団体、とは限りません

.orgを見ると、何となく非営利団体や公共性の高い組織のサイトだという印象があります。

実際、.orgは長い間そのような用途で広く使われてきました。現在のレジストリであるPublic Interest Registryも、慈善団体、教育団体、文化団体、科学団体など、多くの非営利的な活動が.orgを利用していると説明しています。

しかし、ここで少し注意が必要です。

.orgは現在、非営利団体にしか登録できないドメインではありません。Public Interest Registryは、.orgを登録資格に制限のないオープンなドメインとしており、個人でも企業でも登録できます。

つまり、ドメイン名が持つ「イメージ」と、制度上の「登録資格」は別なのです。

これは意外に重要な違いです。

「.orgだから公的な団体に違いない」と判断することはできませんし、逆に企業が.orgを使っているからといってルール違反というわけでもありません。

ドメインは、その文字列が持つ歴史的なイメージと、現在の制度が必ずしも一致しないことがあります。

.jpは日本のトップレベルドメインです

.jpは日本に割り当てられているccTLDです。IANAの登録情報では、.jpの管理主体は株式会社日本レジストリサービス(JPRS)です。

ここで.comとの違いが少し見えてきます。

.comはgeneric top-level domainですが、.jpは日本という国に対応するcountry-code top-level domainです。そしてccTLDは、それぞれの国や地域の管理主体によって登録ルールが決められているため、どの国のccTLDでも同じ条件で登録できるわけではありません。

日本の.jpの場合、日本国内に住所を持つ個人・団体・組織であれば、汎用JPドメイン名を登録できます。

そして.jpの中にはさらに、私たちがよく目にするco.jp、ac.jp、go.jpなどがあります。

ここから少し面白くなってきます。

「co.jp」はTLDではありません

例えば、

example.co.jp

を見てみます。

普段は「co.jp」という一まとまりの種類に見えます。しかしDNSの階層として考えるなら、一番右の「jp」がトップレベルドメインです。その左側に「co」があり、さらにその左に「example」があります。つまり「co.jp」というTLDが存在するわけではありません。

ただし、日本のJPドメイン制度では「CO.JP」というまとまりを属性型JPドメイン名として扱っています。企業はCO.JP、大学などはAC.JP、政府機関はGO.JPといったように、組織の属性に応じて登録できる名前が決められています。

ここはDNS上の階層と、日本のドメイン登録制度という二つの話が重なっているため、初心者には非常に分かりにくいところです。

ですので、次回はここだけを一本使って深掘りします。

.comと.jpはどちらが「上」なのでしょうか

では、.comと.jpではどちらが上なのでしょう。答えは、どちらもトップレベルなので階層上は同じです。.comの方が世界的によく見るから上位というわけではありませんし、.jpが.comの中に含まれているわけでもありません。

DNSの一番上にはルートと呼ばれる領域があり、その直下に.com、.jp、.org、.netなどのTLDが並んでいます。

IANAのRoot Zone Databaseは、そのトップレベルドメインがどこへ委任され、誰が管理しているのかを記録しています。

これを巨大な木に例えるなら、根元から.comの枝、.jpの枝、.orgの枝がそれぞれ伸び、その先にexample.comやexample.jpなど無数の名前がぶら下がっているようなものです。

普段私たちはWebサイトを一つずつ見ているので、この巨大な木を意識することはほとんどありません。しかし実際には、世界中のドメイン名がこうした階層の中に整理されています。

では、なぜTLDはこんなに増えたのでしょうか

昔からインターネットを使っている人なら、ドメインといえば.com、.net、.org、それに.jpくらいしか意識しなかった時期も長かったと思います。

ところが現在は、.shop、.app、.blog、.online、.xyzなど、初めて見ると「これも本当にドメインなのですか」と思うようなものが大量に存在します。

ICANNの定義でも、現在のgTLDには従来の.comや.orgだけでなく、新gTLDプログラムによって追加された多種多様な名前が含まれています。

となると次の疑問は自然です。

なぜ、そんなに増やす必要があったのでしょうか。

そして、見たことのないTLDを使っても本当に大丈夫なのでしょうか。

その話に進む前に、次回は日本人にとって少し特殊で、しかも実際によく見るJPドメインを整理します。.jp、co.jp、or.jp、ac.jp、go.jp。それぞれ誰が取得でき、なぜわざわざ制限を設けているのか。

「取得しにくい」ということは不便です。しかし、場合によってはその不便さそのものが信用につながります。

第3回は、その辺りを考えてみたいと思います。

2026年9月7日 2:46 AM   投稿者: M.A.   カテゴリー: Web, ドメイン, ホームページ

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