拡張子とは何か?Windows・Macでの表示方法と代表的なファイル形式を解説
- 1 そもそも「拡張子」とは何なのか?
- 2 .jpgを.pngに変えてもPNG画像にはならない
- 3 では、なぜ拡張子が必要なのか
- 4 Macには拡張子がなかった?
- 5 Windowsでも拡張子は隠されている
- 6 Windows 11で拡張子を表示する方法
- 7 Macですべての拡張子を表示する方法
- 8 最低限知っておきたい代表的な拡張子
- 8-1 文書、表計算、データ
- 8-2 画像ファイル
- 8-3 音声ファイル
- 8-4 動画ファイル
- 8-5 圧縮ファイル、アーカイブファイル
- 9 特に注意したい実行ファイルとスクリプト
- 10 「請求書.pdf.exe」はPDFではない
- 11 Officeファイルの「m」も覚えておきたい
- 12 知らない拡張子に出会ったらどうするか
- 13 拡張子を知ると、ファイルが少し違って見える
そもそも「拡張子」とは何なのか?
パソコンを使っていれば、.jpg、.pdf、.xlsxなどという文字は一度くらい目にしたことがあると思う。写真なら.jpg、PDFなら.pdf、Excelなら.xlsx。何となく「ファイルの種類を表すもの」ということは分かる。
では、その拡張子とは一体何なのだろうか。
例えば「旅行写真.jpg」というファイルなら、「旅行写真」がファイル名で、最後の「.jpg」が拡張子である。Windowsでは、この拡張子を手掛かりにして、ファイルの種類や、それを開くアプリなどを判断している。
ただ、ここで一つ重要なのは、「拡張子」と「ファイルの中身」は同じものではないということだ。
.jpgを.pngに変えてもPNG画像にはならない
「写真.jpg」というJPEG画像があったとする。ではファイル名を変更して「写真.png」とすれば、PNG画像になるのだろうか。
ならない。
変わったのは名前だけで、中に入っている画像データはJPEG形式のままである。本当にPNG形式へ変えたいのであれば、画像ソフトなどを使ってPNG形式として保存したり、変換したりする必要がある。
これは拡張子を理解するうえでかなり大切なところだと思う。
拡張子はいわば、ファイルに付けられた「種類を書いた名札」であり、中身そのものではない。瓶に「水」と書いたラベルを貼っていても、中にジュースが入っていれば中身はジュースである。「水」という文字を「コーヒー」に書き換えたところで、中身までコーヒーになるわけではない。
少々乱暴なたとえだが、拡張子とファイル形式の関係はそれに近い。
では、なぜ拡張子が必要なのか
コンピューターの中には、画像、文章、音楽、動画、プログラムなど、まったく性質の違うデータが、すべて「ファイル」として保存されている。
そこでOSには、それぞれのファイルを何として扱えばいいのかを判断する手掛かりが必要になる。その一つが拡張子である。
例えば.jpgなら画像を扱うアプリ、.docxならWordなどの文書アプリ、.mp3なら音楽プレーヤーというように、Windowsは拡張子とアプリの関連付けを持っている。
もちろん、.jpgだから必ず標準のフォトアプリで開かなければならないわけではない。別の画像ソフトを指定して開くこともできる。
つまり拡張子は、「必ずこのアプリで開け」という命令ではなく、「これはこういう種類のファイルです」とOSに知らせるための手掛かりなのである。
Macには拡張子がなかった?
ここでMacを長く使ってきた人なら、「昔のMacでは拡張子なんてほとんど見なかった」と思うかもしれない。
これは単なる記憶違いではない。
昔のMac OSでは、ファイルの種類を示す情報や、そのファイルを作ったアプリを示す情報を、ファイル名とは別の場所に持たせる仕組みが使われていた。そのため、Windowsのようにファイル名の最後に拡張子を表示しなくても、OS側が「これは何のファイルなのか」を判断できた。
そのため、Macでは長い間、利用者が拡張子をほとんど意識しなくても使える環境が成立していたのである。
現在のmacOSでは、Windowsなど他のOSとのファイル交換もあるため、普通に拡張子が使われている。ただし、Finder上では拡張子を非表示にすることができる。
つまり現在のMacに「拡張子がない」のではない。拡張子が存在していても、利用者に見せなくてよいように作られているのである。
Windowsでも拡張子は隠されている
実はWindowsでも、拡張子は長い間、初期状態では見えにくい存在だった。
例えば、本当のファイル名が「写真.jpg」であっても、エクスプローラーでは単に「写真」と表示されることがある。
見た目としてはこちらの方がすっきりしている。しかし個人的には、Windowsでは拡張子を表示しておく方がいいと思う。
理由は単純で、そのファイルが何なのかを自分でも確認できるからである。
Windows 11で拡張子を表示する方法
Windows 11では、次の操作で拡張子を表示できる。
- エクスプローラーを開く
- 上部にある「表示」を選ぶ
- さらに「表示」を選ぶ
- 「ファイル名拡張子」をオンにする
これで、「写真」ではなく「写真.jpg」、「売上表」ではなく「売上表.xlsx」のように表示される。
最初は少し文字が増えてうるさく感じるかもしれない。だが慣れてくると、むしろ拡張子が見えない方が不安になる。
Macですべての拡張子を表示する方法
Macでも、Finderの設定から拡張子を表示できる。
- Finderを開く
- メニューバーの「Finder」から「設定」を開く
- 「詳細」を選ぶ
- 「すべてのファイル名拡張子を表示」をオンにする
個別のファイルについて、拡張子の表示や非表示を設定することもできる。
最低限知っておきたい代表的な拡張子
拡張子は非常に多く存在するので、全部覚える必要はない。日常的によく使うものと、見たときに少し注意した方がいいものを知っていれば十分だろう。
文書、表計算、データ
| 拡張子 | 主な内容 | 覚えておきたいこと |
|---|---|---|
| .txt | テキストファイル | 文字情報を保存する基本的な形式 |
| PDF文書 | 文書の配布や保存で広く利用される | |
| .docx | Word文書 | 現在の一般的なWord形式 |
| .docm | Word文書 | マクロを含めることができる |
| .xlsx | Excelブック | 現在の一般的なExcel形式 |
| .xlsm | Excelブック | マクロを含めることができる |
| .pptx | PowerPoint | 一般的なプレゼンテーション形式 |
| .pptm | PowerPoint | マクロを含めることができる |
| .csv | 表形式のデータ | Excel専用ではなく、さまざまなソフト間でデータ交換に使われる |
| .rtf | リッチテキスト | 文字装飾などを保存できる文書形式 |
特に覚えておきたいのが、Officeファイルの末尾にある「x」と「m」の違いである。
.docx、.xlsx、.pptxは、通常のOffice文書としてよく使われる。一方、.docm、.xlsm、.pptmは、マクロを含めることができる形式である。
マクロというのは、Officeで作業を自動化するためのプログラムである。非常に便利な機能なのだが、プログラムである以上、悪意のある処理を書き込むことも可能だ。
だから、知らない相手から送られてきた.xlsmや.docmを開く場合には、普通の.xlsxや.docxより少し注意した方がいい。
画像ファイル
| 拡張子 | 主な用途 |
|---|---|
| .jpg / .jpeg | 写真で非常によく使われる画像形式 |
| .png | Web画像などで広く使われる。透明部分も扱える |
| .gif | 画像や簡単なアニメーションに使われる |
| .webp | Webで広く使われる画像形式 |
| .heic / .heif | iPhoneなどで使われる高効率な画像形式 |
| .svg | ロゴや図形などで使われるベクター画像 |
| .psd | Adobe Photoshopの編集用ファイル |
同じ「画像」でも中身はかなり違う。
.jpgは写真によく使われ、.pngは透明部分を持つ画像にも向いている。.svgは写真のように画素を並べた形式とは異なり、図形などの情報をもとに画像を描画する。
つまり「画像ファイル」という大きなくくりの中にも複数の形式があり、その違いを示すものの一つが拡張子なのである。
音声ファイル
| 拡張子 | 主な内容 |
|---|---|
| .mp3 | 非常によく使われる圧縮音声 |
| .wav | Windowsでも古くから使われている音声形式 |
| .m4a | 音楽や音声で使われるMPEG-4系の形式 |
| .flac | 音質を保ったまま圧縮できる可逆圧縮音声 |
| .aac | 音楽や動画などで広く使われる音声形式 |
動画ファイル
| 拡張子 | 主な内容 |
|---|---|
| .mp4 | 現在もっとも一般的な動画形式の一つ |
| .mov | AppleのQuickTime系で使われてきた動画形式 |
| .avi | Windowsで古くから使われている動画形式 |
| .mkv | 映像、音声、字幕などをまとめて保存できる形式 |
| .webm | Web上の動画で使われる形式 |
動画については少しややこしい。
例えば.mp4という拡張子でも、中で使われている映像や音声の圧縮方式がすべて同じとは限らない。
MP4やMOV、MKVなどは、映像や音声を入れておく容器のような役割を持つ。この容器を「コンテナ」と呼ぶ。
そのため「同じ.mp4なのに、こちらは再生できて、あちらは再生できない」ということも起こり得る。
拡張子だけ分かれば、ファイル内部のすべてが分かるわけではないという一例でもある。
圧縮ファイル、アーカイブファイル
| 拡張子 | 主な内容 |
|---|---|
| .zip | 非常によく使われる圧縮、アーカイブ形式 |
| .7z | 7-Zipなどで利用される圧縮形式 |
| .rar | RAR形式の圧縮ファイル |
| .gz | gzip形式で圧縮されたファイル |
| .tar | 複数のファイルをまとめたアーカイブ |
| .tar.gz | tarでまとめたファイルをgzipで圧縮したもの |
.tar.gzを見ると、「拡張子が二つ付いている」と思うかもしれない。
これは間違いではなく、意味がある。.tarで複数のファイルをまとめ、それをさらに.gzで圧縮している。
つまり、ファイル名にピリオドが二つあるから怪しいというわけではない。
日本では昔、LZHという圧縮形式が非常によく使われていた。古いフリーソフトを探すと、今でも「software.lzh」のようなファイルに出会うことがある。現在はZIPや7zなどが中心になり、Windows 11の標準アーカイブ対応にもLZHは含まれていない。ただし昔のデータを扱う場合にはまだ出会う可能性があるため、「過去によく使われた圧縮形式」として覚えておいて損はない。
特に注意したい実行ファイルとスクリプト
ここからは少し重要になる。
画像や文章の多くは「アプリで内容を読むためのファイル」だが、コンピューターに処理を実行させることを目的にしたファイルもある。
| 拡張子 | 主な意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| .exe | Windows用の実行プログラム | 知らない入手元のものは安易に実行しない |
| .msi | Windows Installer | ソフトのインストールに使われる |
| .bat | バッチファイル | 複数のWindowsコマンドを実行できる |
| .cmd | コマンドスクリプト | Windowsのコマンドを実行できる |
| .ps1 | PowerShellスクリプト | さまざまな処理を自動実行できる |
| .vbs | VBScriptファイル | スクリプトとして処理を実行できる |
| .js | JavaScriptファイル | Webページ以外でもスクリプトとして利用される場合がある |
| .jar | Javaアーカイブ | Javaプログラムとして実行できるものがある |
| .scr | Windowsスクリーンセーバー | 画像ファイルではなく、実行可能なプログラム |
| .lnk | Windowsショートカット | 別のプログラムやファイル、コマンドなどを呼び出す |
ここで誤解してはいけないのは、これらの拡張子だから危険というわけではないことだ。
.exeがなければWindows用の普通のアプリケーションも動かないし、.msiも正規のソフトウェアをインストールするために普通に使われている。
問題なのは、何をするのか分からないファイルを実行することである。
MicrosoftやAdobeなどの公式サイトから入手した.exeと、知らない相手からメールで突然送られてきた.exeを、同じものとして考えるべきではない。
「請求書.pdf.exe」はPDFではない
そして、拡張子を表示しておいた方がいい大きな理由の一つがここにある。
例えば、次の名前のファイルがあったとする。
請求書.pdf.exe
このファイルの拡張子は、最後に付いている.exeである。
途中に.pdfと書いてあってもPDF文書ではない。Windowsの実行プログラムである。
ファイル名の最後の拡張子が隠されていると、利用者が名前だけを見てPDFだと思い込む可能性がある。
もちろん、現在のWindowsにはMicrosoft DefenderやSmartScreenなどのセキュリティ機能がある。そのため、拡張子を表示するだけですべての危険なファイルを防げるわけではない。
それでも、自分がこれから開こうとしているものが、文書なのか画像なのか、それともプログラムなのかを知っておくことは重要だと思う。
Officeファイルの「m」も覚えておきたい
実行ファイル以外でも、一つ覚えておくと便利なのがMicrosoft Officeの拡張子である。
| 通常形式 | マクロを含められる形式 |
|---|---|
| .docx | .docm |
| .xlsx | .xlsm |
| .pptx | .pptm |
末尾がmになっている形式は、マクロを含めることができる。
マクロ自体は作業を自動化するための便利な機能であり、仕事でも普通に使われている。ただし、プログラムを動かす仕組みである以上、悪用される可能性もある。
例えば、普段は.xlsxしか送ってこない相手から突然.xlsmが送られてきたのであれば、「今回はなぜマクロ付きなのだろう」と少し確認する。その程度の知識でも十分役に立つ。
知らない拡張子に出会ったらどうするか
知らない拡張子だからといって、それだけで怪しいわけではない。
CAD、動画編集、音楽制作、会計ソフト、ゲーム、プログラミングなど、専門的なソフトには独自形式が大量に存在する。
分からない拡張子に出会ったら、まず、その拡張子が何のソフトで使われるものなのかを調べる。
そして専用ソフトが必要なのであれば、そのソフトの公式サイトから入手する方がいい。
検索すると「この拡張子を開くためのソフト」と称するものが大量に出てくることがあるが、正体の分からないソフトをその都度インストールしていては、かえって危険を増やすことになる。
拡張子を知ると、ファイルが少し違って見える
拡張子というのは、コンピューターではかなり昔から使われている仕組みである。それだけに地味だし、現在のWindowsやMacは、できるだけ利用者が拡張子を意識しなくても使えるように作られている。
それは便利である。スマートフォンで写真を見るたびに、「これはJPEGだから」「これはHEICだから」などと考えていたら面倒で仕方がない。
ただ、PCではもう少しファイルそのものを扱う機会が多い。
.jpgと.pngの違いを知る。.xlsxと.xlsmの違いを知る。.pdfと.exeはまったく別のものだと知る。そして、拡張子を書き換えることと、ファイル形式を変換することは違うと知る。
これだけでも、パソコンの中に並んでいるファイルが、単に名前とアイコンの付いた何かではなく、それぞれ異なる形式を持ったデータとして見えるようになる。
Windowsが拡張子を隠してきた理由も分からなくはない。初心者にとっては、余計な文字が表示されない方が分かりやすいという考え方もあるだろう。
だが現在なら、むしろ表示しておいた方が分かりやすいし、安全でもあるのではないかと思う。
少なくとも「何のファイルなのか」という情報くらいは、OSだけでなく人間にも見えていた方がいい。