ドメイン丸わかり

co.jpは誰でも取得できる?JPドメインの種類と登録資格を分かりやすく解説

「co.jp」は会社でなければ取れないのでしょうか

前回は、.comや.jpなど、ドメイン名の最後にあるTLDについて見てきました。では今回は、その.jpの中へもう一段入ってみます。例えば「example.jp」と「example.co.jp」。どちらも最後は.jpなので、日本のJPドメイン名です。

しかし、この二つは登録できる人が全く違います。

「example.jp」のような汎用JPドメイン名は、日本国内に住所を持っていれば、個人でも団体でも会社でも登録できます。しかも登録数に制限はありません。

ところが「example.co.jp」はそうではありません。

CO.JPを登録できるのは、日本国内で登記を行っている株式会社、合同会社、有限会社、合名会社、合資会社などの会社を中心とした、決められた組織です。つまり「仕事をしている」「商売をしている」というだけでは足りず、例えば個人事業主だからCO.JPを取得できる、という制度ではありません。

ここで少し不思議になります。なぜ、わざわざ取得しにくくしているのでしょうか。

JPドメインには大きく三つの種類があります

その話の前に、まずJPドメイン全体を整理しておきます。JPRSでは、JPドメイン名を大きく三つに分類しています。

  • 汎用JPドメイン名
  • 都道府県型JPドメイン名
  • 属性型・地域型JPドメイン名

まず「example.jp」のようなものが汎用JPドメイン名です。日本国内に住所を持つ個人、団体、組織であれば登録でき、数にも制限がありません。会社が商品ごとに複数取得しても構いませんし、一人の個人が複数の.jpを持つこともできます。

次が都道府県型JPドメイン名です。例えば「example.tokyo.jp」「example.hokkaido.jp」のように、ドメイン名の中に都道府県名が入ります。こちらも日本国内に住所があれば個人・組織を問わず登録でき、登録数に制限はありません。地域性を名前そのものに持たせられるところが特徴です。東京の店舗ならtokyo.jp、北海道の観光サービスならhokkaido.jpという具合に、URLを見ただけで地域との関係をある程度伝えることができます。

そして三つ目が、今回の主役である属性型JPドメイン名です。

「co」の部分には意味があります

前回、DNSの構造としては「co.jp」というTLDが存在するわけではなく、トップレベルドメインはあくまで.jpだと説明しました。しかし日本の登録制度では、この「co」の部分を使って、そのドメインを登録している組織の種類、つまり「属性」を表しています。

そのため「属性型JPドメイン名」と呼ばれます。

種類 主な登録対象
CO.JP 株式会社、合同会社、有限会社などの企業
OR.JP 社団法人、財団法人、医療法人、NPO法人など
AC.JP 大学、高等専門学校、学校法人など
ED.JP 幼稚園、小学校、中学校、高等学校など
GO.JP 日本政府機関、独立行政法人など
NE.JP ネットワークサービス
GR.JP 複数の個人・法人による任意団体
AD.JP JPNIC会員組織
LG.JP 地方公共団体など

こうして並べると、URLの一部が一種の身分表示になっていることが分かります。「example.ac.jp」なら大学などの高等教育機関、「example.go.jp」なら日本の政府機関という具合です。もちろん、URLだけを見て、そのサイトの内容が正しいとか、その組織が絶対に信用できるとまで判断することはできません。ただ、少なくとも誰でも好き勝手にその属性を名乗って取得できるわけではない、という違いがあります。

個人事業主はco.jpを取得できないのでしょうか

ここは間違えやすいところです。会社と仕事、会社と事業は同じではありません。個人事業主も当然、事業を行っています。しかしCO.JPの登録資格は「事業をしているか」ではなく、JPRSが定める組織種別に該当するかどうかで決まります。JPRSが現在示しているCO.JPの対象には、株式会社、合同会社、有限会社、合名会社、合資会社、相互会社などのほか、信用金庫、信用組合、日本で登記された外国会社などが含まれています。したがって、法人化していない普通の個人事業主が、単に事業用サイトだからという理由でCO.JPを登録することはできません。その場合には、.jpや.comなど別のドメインを利用することになります。

逆に言えば、CO.JPを見たとき、「少なくとも通常の個人が思いつきで取得したドメインではない」という情報を得られます。

原則として「1組織1ドメイン」です

さらに属性型JPには、もう一つ特徴があります。

原則として、一つの組織が登録できる属性型JPドメインは一つです。例えば一つの会社が、商品Aのために「product-a.co.jp」、商品Bのために「product-b.co.jp」、採用サイト用に「recruit.co.jp」と、CO.JPを好きなだけ大量取得するという使い方は原則できません。

これは.comや汎用JPとはかなり違います。そして、この制限も一見すると不便です。企業が複数のブランドを持っているなら、それぞれにco.jpを付けたいこともあるでしょう。それなのになぜ一つにするのでしょうか。

JPRSは、1組織1ドメインの制度によって、他組織の名前や商品・サービスを装ったり、類似する属性型JPドメインを大量登録して悪用したりすることを抑えやすくなると説明しています。つまり、ここでも「自由を制限することで信頼性を高める」という設計になっています。

とはいえ「一生一つ」ではありません

ただし、1組織1ドメインという言葉だけを覚えると、今度は逆方向に誤解します。会社は変化するからです。社名を変更することもありますし、企業合併もあります。事業譲渡もあります。

そこでJPRSには制限緩和制度があり、組織名を変更した場合には以前のドメインを継続しながら新しい属性型JPドメインを登録できる場合があります。また、複数企業が合併した場合、それぞれが使っていた属性型JPドメインを継続利用できる制度もあります。制度として1組織1ドメインを基本にしながら、現実の企業活動にはある程度対応できるようになっているわけです。

「登記簿謄本が必要」という理解は半分正しいのですが

CO.JPについて調べると、「登記簿謄本が必要」と説明されていることがあります。方向としては分かります。CO.JPは日本で登記された会社などが登録するものなので、その資格を確認できなくては制度そのものが成立しません。ただ、現在の仕組みを「CO.JPを申し込むときには必ず登記簿謄本をJPRSへ提出する」と覚えるのは少し違います。

そもそもJPドメイン名の登録申請は、利用者がJPRSへ直接申し込む仕組みではありません。JPRSの指定事業者を通じて手続きを行います。そして登録資格の確認が必要になった場合、登記が必要な株式会社などについては「登記事項証明書」が資格確認書類の一つとして定められています。組織の種類によっては、所管官庁の認可を確認できる資料、法令、住民票など、確認方法も異なります。つまり大事なのは「紙の登記簿謄本を提出する」という手続きそのものより、属性型JPでは、本当にその属性に該当する組織なのかを確認できる制度になっているということです。

補足:「登記簿謄本」と「登記事項証明書」

現在、法務局が会社などの登記内容を証明する書類は一般に「登記事項証明書」と呼ばれます。「登記簿謄本」という言葉も日常的には今なお使われていますが、登記情報がコンピューター化された現在の正式な書類名称とは少し違います。

会社をまだ作っていなくてもco.jpを押さえられます

ここでも少し面白い制度があります。

会社を作ろうとしているが、まだ登記が終わっていない。しかし希望しているco.jpを他の人に取られるのは困る。そんな場合、どうするのでしょう。

JPRSには「仮登録」という制度があります。CO.JP、OR.JP、AC.JP、ED.JP、GO.JPについては、組織設立前などでも一定の条件のもとで仮登録でき、基本的には6カ月の期間内に会社設立や組織設立などを行って本登録の手続きをします。期限内に本登録できなければ、仮登録したドメイン名は廃止されます。つまり「会社でなければco.jpは取れない」という原則は維持しながら、これから会社になることが具体的に決まっている組織には先に名前を確保する道が用意されています。

会社を設立してからドメインを探したら、欲しかった名前が既にない、という問題を避けるための制度とも言えます。

では「go.jp」を見たら政府公式だと思ってよいのでしょうか

ここまで来ると、もう一つ興味深い疑問が出てきます。検索結果に「○○.go.jp」というサイトが出てきたら、政府の公式サイトだと思ってよいのでしょうか。GO.JPは、日本の政府機関、各省庁所管の研究所、一定の特殊法人、独立行政法人など、登録できる組織が限定されています。ですから、少なくとも誰かが勝手に取得した普通のドメインではありません。同様にAC.JPなら大学などの高等教育機関、ED.JPなら小学校や中学校、高校などの初等中等教育機関と、URL自体から登録組織の属性をある程度読み取ることができます。

ただし、「登録資格がある」と「サイト内のすべての情報が正しい」は当然ながら別問題です。これは少し重要です。ドメインは身元を判断する材料にはなります。しかし内容を保証するものではありません。

「取得しにくい」は欠点なのでしょうか

ここまで見てくると、属性型JPはずいぶん不自由です。登録資格があり、一組織一ドメインの原則があり、好きな人が好きな数だけ取ることはできません。.comと比較すれば、圧倒的に面倒です。しかし、不思議なことに、その面倒さがCO.JPなどの価値にもなっています。

仮に誰でもco.jpを100個でも1000個でも取れるようにしたらどうなるでしょう。おそらく「co.jpを見れば日本企業だとある程度判断できる」という現在の意味は薄れていきます。自由度と信用は、必ずしも同じ方向を向いていないのです。

.comは自由だから世界中に普及しました。個人でも企業でも使えるし、一人で複数登録することもできます。その自由さは非常に大きなメリットです。一方のCO.JPは、自由をあえて狭くすることで「日本の会社」という属性をドメイン名に持たせています。どちらが優れているという話ではありません。設計思想が違うのです。

都道府県型JPというもう一つの方向

JPドメインには、組織の種類ではなく「地域」を名前に持たせる仕組みもあります。都道府県型JPドメイン名です。

例えば、

example.tokyo.jp

example.hokkaido.jp

のような形です。

全国47都道府県の名称を含むことができ、日本国内に住所があれば個人でも組織でも登録できます。しかも数に制限はありません。

属性型JPが「あなたは何者ですか」をドメインに表す仕組みだとすれば、都道府県型JPは「どこと関係がありますか」を表す仕組みと考えると分かりやすいかもしれません。

同じ.jpの中でも、ずいぶん発想が違います。

ドメインは単なる名前ではなくなってきます

第1回では、ドメインを「インターネット上で長く使う名前」と考えました。第2回では、その名前が階層構造になっていて、最後の部分にTLDがあることを見ました。そして今回、さらに一段進むと、名前そのものに「企業」「大学」「政府」「地域」といった情報を埋め込むことができることが分かります。そう考えると、ドメインは単なる接続先を探すための便利な文字列ではありません。人間はその文字列を見て、そこから意味を読み取っています。

ただ、それなら次に疑問が出てきます。

最近目にする「.shop」「.app」「.blog」「.xyz」「.online」なども、同じように何か意味を持っているのでしょうか。そもそも、いつの間にこんなに増えたのでしょう。

そして見たことのないドメインを使うことに、メリットはあるのでしょうか。それとも、やはり.comの方が安心なのでしょうか。

第4回では、いよいよ大量に増えた「新しいTLD」の世界へ進みます。

2026年9月8日 1:15 AM   投稿者: M.A.   カテゴリー: Web, ドメイン, ホームページ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


© 2003- f.mignon Ltd. 有限会社エフ・ミニヨン