Google Meet「Take notes for me」が対面会議に対応、Geminiが日本語で議事録を自動作成

Google Meetが、オンライン会議の外へ出てきた

Googleが2026年8月13日、Google Meetの「Take notes for me」を対面会議でも利用できるようにすると発表した。

「Take notes for me」は、Geminiが会議内容を聞き取り、要点や次にやるべきことを自動的に整理してくれるAI議事録機能である。これまでもGoogle Meetのオンライン会議では使えたのだが、今回の変更では、そもそもビデオ会議を開催する必要がなくなった。

WebやスマートフォンでGoogle Meetを開き、「Take notes」を押す。端末を会議の近くに置いておけば、Geminiがその場の会話を記録する。会議が終われば、要約、アクション項目、全文の文字起こしをまとめたGoogle Docsが自動的に作られ、Google Driveへ保存される。

便利な機能である。

ただ、個人的に気になるのは、議事録が自動化されたことよりも、「Google Meetとは何なのか」という部分だ。

オンライン会議をしないのにMeetを使う

Google Meetと言われれば、これまではZoomやMicrosoft Teamsと同じようなビデオ会議サービスを想像した。離れた場所にいる人同士を映像と音声でつなぐためのものだ。

ところが今回の機能では、同じ会議室に全員がいる。オンラインで誰かにつなぐ必要もない。それでもGoogle Meetを起動する。

少し妙な感じがする。

Google自身も今回の発表で、Meetをビデオ通話だけではなく、対面での共同作業まで含む「あらゆる会議」のための場所へ広げようとしている。

つまりGoogle Meetの競争相手は、ZoomやTeamsだけではなくなってくるのかもしれない。会議室に置かれたICレコーダー、スマートフォンの録音アプリ、人が作ってきた議事録、さらにはAI議事録専用サービスまで、その領域に入ってくる。

会議が終わると、議事録まで出来上がる

使い方そのものは難しくない。

予定された会議だけでなく、その場で始まった打ち合わせでも利用できる。端末で「Take Notes for Me」を開始し、近くに置いておけばいい。途中で一時停止することも、完全に停止することもできる。

終了後にはGeminiが内容を整理し、会議の要約、アクション項目、全文トランスクリプトをGoogle Docsとして生成する。作成された文書はDriveに保存されるため、会議が終わった後に録音を聞き直して、一から議事録を書くという作業はかなり減らせるだろう。

日本語にも対応している。現在対応しているのは英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語。ただし一つの会議で利用できるのは一言語だけなので、日本語と英語が頻繁に入り交じるような会議ではまだ制約がある。

実は「Take notes for me」自体は新しくない

ここは少し整理しておいた方がいい。

Googleが「Take notes for me」をGoogle Meetへ正式に展開し始めたのは2024年8月である。当時はPC上のGoogle Meetで利用し、オンライン会議の内容をGeminiが自動的にまとめる機能だった。開始時点では英語のみで、対象となるWorkspaceユーザーも限られていた。

そこから約2年。対応言語や機能が増え、今回はオンライン会議という前提そのものが外れた。

したがって今回のニュースは、新しいAI議事録サービスが突然登場したという話ではない。すでに存在していた機能の利用場所が、「Google Meetの中」から「現実の会議室」へ広がった、と見る方が正確だろう。

議事録を書く仕事はなくなるのか

となると当然、会議中に誰かが議事録を取る必要はなくなるのではないか、という話になる。

恐らく、その方向には進むと思う。

会議に参加しながら発言を聞き、同時に重要なポイントを書き残し、終了後に文章として整理する。単純に考えてもかなり面倒な仕事だ。それをAIが代行してくれるなら、参加者は会議そのものへ集中できる。

ただし、全部任せてしまえばいいという話でもない。

Google自身、「Take notes for me」が作成する要約は不完全だったり、不正確だったりする場合があると説明している。接続状態や会議時間によっては、そもそも要約が生成されない場合もある。

例えば「来週までに見積書を提出する」とAIが書いたとして、本当は「来月まで」だったら困る。担当者名、金額、期限、契約条件などは、たった一文字の間違いでも意味が変わる。

つまり「議事録を書く」という仕事はAIへ渡せても、「議事録が正しいか確認する」という仕事は残る。

まあ、人間が書いた議事録だって間違えるので、これはAIだけの問題でもない。ただ、AIがきれいな文章で出してくると、何となく正しいように見えてしまうという別の問題はありそうだ。

録音することが当たり前になった会議

そしてもう一つ、対面会議ならではの問題もある。

オンライン会議では画面上に録音や文字起こしが行われていることを表示できる。だが会議室の机にスマートフォンを一台置いただけでは、そこにいる全員が常にAIによる記録を意識しているとは限らない。

技術的にできることと、組織としてどう運用するかは別の話である。社外の人との打ち合わせ、採用面接、機密性の高い会議などでは、録音・保存・共有についてのルールを決めておく必要があるだろう。

Google側にも管理者向けの設定や共有範囲を管理する仕組みは用意されている。だが、AIが簡単に記録できるようになればなるほど、人間側では「何を記録していいのか」という判断の方が重要になる。

Meetは「ビデオ会議サービス」のままなのか

今回の発表だけを見れば、便利なAI議事録機能が一つ増えただけとも言える。

しかし考えてみると、Google Meetというサービスの性格は少しずつ変わっている。

かつては離れた人同士をつなぐことがMeetの仕事だった。今度は、同じ場所にいる人同士でもMeetを使う。なぜなら人をつなぐためではなく、そこで行われた会話を記録し、その後の仕事へ残すためだ。

オンラインとオフラインという区別を、ソフトウェア側があまり気にしなくなってきたとも言える。

AIによって議事録が自動化されたことももちろん便利だ。ただ今回のニュースで面白いのは、それ以上に「Meetなのにオンライン会議をしなくてもいい」という少々妙な状況が生まれたことだと思う。

数年後にもGoogle Meetを「ビデオ会議サービス」と呼んでいるのかどうか。案外、この辺りから変わっていくのかもしれない。

2026年8月15日 1:50 AM   投稿者: M.A.   カテゴリー: AI, Google

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